刊行日のたびたびの変化について

拙著『図書館の魔女』の新しい刊行日が、講談社のウェブ・サイト発表、メールマガジンを初め、二転三転しております。
これまでにもたびたびの発売延期があり、刊行をずっと待っていらっしゃる方々におかれましては、大変なご心配をおかけしていることと存じます。お待たせして申し訳ありません。著者として伏してお詫び申し上げます。
こちらのサイトにも予て広告されていた刊行日にはアクセスが増えておりました。私自身も気掛かりにはしておりましたが、これまでなんらのお断りもしないままでいたことについてもお詫び申し上げます。その都度の最新情報は講談社のコントロールのもとで編集部主導で公式に告知する旨、担当編集者と申し合わせております。例えばこのサイトから延期のお知らせや刊行日の告知などを勇み足で行うことは控えておくという取り決めです。諸事情ご賢察の上、ご寛恕いただきたくお願い申し上げます。
したがいまして、今後もこのサイトを通じて最新情報や不確かな見込みを、ひろくご通知さしあげることはありません。刊行についての最新情報は原則、今後とも講談社発表が先行するものとお考え下さい。

しかしながら再三にわたった刊行延期について、著者としての説明責任が生じているようにも思います。こちらのサイトにアクセスなさっている方も、それをご期待のことと存じます。そこで編集部に文面の確認をお願いした上で、これまでの経緯を簡単にご説明もうしあげます。

説明項目は(1)なぜ刊行までに何年もかかったのか、(2)なぜ二月末刊行が延期されたのか、(3)なぜ六月末刊行が延期されたのか、以上の三点です。

1)なぜ受賞から刊行までに何年もかかったのか
理由は主に三つあります。
第一に拙作はいきなりの受賞後に、そこからあらためて担当編集氏の決定から、改稿その他のコンセンサス策定まで、そして具体的な改稿作業と校閲の往復、一著として結実させていくまでの実務手続がすべてほとんどゼロベースのスタートで始まりました。零でなかったのは投稿原稿の存在のみですが、こうした投稿原稿がそのままの出版にたえるものではないということは、読者の皆様にもお知りおきのことかと存じます。
第二に私が在外遠隔地で動きのとれない身分であること。連絡はすべて通信により、あろうことか万障繰り合わせたはずの、受賞後の編集部との直接の顔合わせも不可抗力によって阻まれました。もともとの会合の約束が2011年の三月中旬であったと言えば、ある程度の事情はお判りのことかと思います。そこから新規まき直しで対面の上での意見の交換、方針の策定に辿り着いたのが同年半ば。それからの初校、二校の遣り取りもすべて主に郵便によって進めて参りました。様々な事務処理もすべて郵便です。この間、日本と外国間の郵便は税関手続の強化もあって、著しい紛糾をことごとに見ていたと認識しています。
第三に拙作のボリュームが尋常ではないということ。周知のように投稿時の拙作は枚数で 3500 枚におよぶ長尺の物語でした。これは数年がかりで書き継がれたシリーズ物が完結を迎えるといった時に見られる分量に相当し、その後の改稿と削減を経たうえでもなお一挙刊行される量としてはまだ尋常の域を超えています。これを一挙刊行するとした編集部の決断には今もって感謝しています。この長さそのものを拙著の美質と見て、一貫して擁護してくれた担当編集氏への感謝も言葉には言い尽せないものがあります。しかしもちろん実作業上は、綿密きわまる校閲についても、こちらからの校正指示の準備についても、その後のこまかな修正の遣り取りについても、作業量と所要時間に関して、通常の一著に倍する要請があったというのは客観的な事実かと考えます。
2)なぜ予告されていた二月末刊行が延期されたのか
これは昨年(2012)末にメフィスト賞受賞作が相継いで発表され、つごう三著が同時期に連続して刊行される流れになったことが影響しました。三著の連続刊行にあたり、その順序を調整するというのは経営判断、販売戦略として普通のことだと考えます。その際に、端的にボリュームと価格が飛び抜けている拙著を後に回すというのは、自著のことしか念頭にない私としては遺憾ながら、まず穏当な判断ではないかと思料するにいたり、かかる戦略的判断を諒としました。
3)なぜ六月末刊行が延期されたのか
刊行期日が順延されたところで、スケジュールが楽になるということはなかなか起こらないものです。むしろ年末押しで進められていた刊行準備が、数月の順延によってかえってスケジュール調整の困難に行き当たり、存外の紛糾をみるということは予想されてもよかったことかもしれません。この不覚については作者と編集部とが責を負うべきことであり、幾重にもお詫びしたく存じます。

いずれにしても、ひろく告知した刊行日を守れなかったことを著者として深くお詫び申し上げます。あと僅かで御手元に届けられるところまで来ておりますので、どうぞ今しばしのご辛抱を下さいますよう、厚かましながら衷心よりお願い申し上げます。
なかなか書影が見えないことについても懸念される向きがあるかと存じます。わたしのもとには既に帯を含むほぼ完成形のものが届いております。「ほぼ」と申しますのはデザイン担当の方の苦心の表面加工がどんな具合に実物として表現されているのか、手許の電子データでは想像するしかないからです。著者としてはこの美しい書影をはやく公開したくてじりじりしている次第です。

また、この長い待機時間を著者が漫然と過ごしていたわけではありません。これについては近日にウェブ・メフィストの『図書館の魔女』特集頁(リンク)ほかでお知らせする運びになるかと存じますので、ご関心の向きはご覧いただければ幸いです。ウェブ・メフィスト特集頁の公開は八月頭になると聞いています。

また同時期発売のメフィスト本誌では三著一挙刊行(拙著だけつまづいていますが)の三作品に「あとがきのあとがき」の頁が割かれます。こちらについても本誌をお手にとってご覧いただければ幸いに存じます。

末筆ながら、長らくお待たせしていることを改めてお詫びするともに、有り難くも拙著の上梓を今なお心待ちにしていらっしゃる(未来の)読者の方々が絶えないでいることに、深い感謝の念を抱いていることを申し述べさせて下さい。

拙著にて近々のお目文字になります。ご期待下さい。

 高田 大介 拝

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